このところの円安で日本の経済力の低下が露呈されています。コロナ禍、ロシア・ウクライナ戦争と要因はあるものの、やはりこの10年間外向きに経済政策を積極的に行わなかったことも原因なのではないでしょうか。実は低下しているのは円や経済力だけではありません。日本人の英語力も危機的に低下しています。毎年11月に発表されるEF英語力指数において、昨年2021年の日本人の英語力は2020年の55位から更にランクダウンし、112カ国中78位という非常に屈辱的なランクに落ちてしまいました。この原因はなんなんでしょうか。英語教育は学校において学習要綱を変え、よりコミュにカティヴに、アクティヴラーニング導入し、大学受験においても4スキルを押し進め、英語教育は一見進化したように見えた10年なのに、なぜ2011年の14位から60位以上も落ちてしまったのでしょうか。

それはおそらく学校の英語教育が主体になり過ぎたことが理由かもしれません。学校の英語教育はもちろん変化を遂げています。しかし、その反面私費で学習する学生が減ったようにも思います。10年前までは駅前留学など、至る所に英会話スクールが乱立し英語を学ぶ人が多くいました。しかし、小学校で英語が開始され授業の一つになり、英語は科目の一つとなり、会社でも公用語となった途端、意外にも日本人は英語を自ら学習しなくなったのです。必要で学ぶ英語は一見誰もが容易に身につけ、レベルが上がるように思えます。しかし、実際は必要で行う英語学習の熱量は、自らのモチベーションで学習する意欲に比べはるかに少ないものです。英語を使う環境は大切ですが、逆に英語を更に伸ばすスクールやそれらに通う人が少なくなったのではないでしょうか。英語の真のモチベーションは自分を変えるたいこと、新しい機会を得たいこと、新しい世界を見たいことから来るものです。必要という受け身で、海外留学などを躊躇うようになったこの10年の日本人には、英語学習へのモチベーションが低下してしまったのではないでしょうか。

英語とテクノロジー、この2つのマジックワードは世界のどの国の人にとっても未来を生きるための必要ツールとなっています。もちろん、このことに気づいている日本人はかつてのように英語力を身につけ、技術力も身につけ国内外で活躍しています。ただ、そうした人たちが、この10年で大多数から一握りの少数派になってしまったのです。つまり、英語においても格差が出ているのです。このため全体として日本人の英語力の平均値が下がってしまったのです。日本がこれからの経済の難局を乗り越えるためには、学校英語だけに頼らず、自らも積極的に英語力を向上させる努力を行わないと厳しいでしょう。日本という国は資源もなく、海外の資源を輸入し、それを技術を使い製造し、海外に輸出する国なのです。英語とテクノロジーが無くして日本のような加工貿易国は成り立たないことを肝に銘じるべきだと思います。