先の土日に最後のセンター試験が行われました。受験生の方はいかがでしか?

来年からはセンター試験に変わり共通テストと名前を変え試験内容も変わります。昨年民間英語試験が大学入試試験のスコアとして採用することが延期になりましたが、この決定はこれまでの英語試験の見なおしの流れが止まったわけではありません。4技能のバランスを重視し、読解、聴解問題においても英語で理解し思考できることを目標とした次世代の英語試験は次の共通テストでもその趣旨が反映されます。

センター試験の筆記試験は共通テストではリーディングと名称が変わります。音声面の発音問題、または作文の技術ともなる文法や整序作文は別のスキルになるためリーディング問題から外されます。リーディングは純粋に英語の長文読解問題となります。当然短文問題が少なくなる分長文の問題が増えます。速読、精読、更には思考力が試されます。近年中高生の国語における読解力も低下していると言われていますから日本語も含めた読解力を普段から強化しおくことが必要です。また英文はこれまでの個人の物語から社会性のあるエッセーやレポートが多く出題されそうです。社会的な問題や科学、環境などの話題にも理解を示せるように背景知識を増やしておく必要があります。長文内容がアカデミックな内容になる共通テストでは当然相当の語彙数も必要です。リスニングも含めて民間試験と同等のレベルを意識して問題が作成されているとすればB2と呼ばれる英検準1級までの単語を覚えていないとこれからの共通テストでは苦労すると思います。今後の高校3年生は準1級レベルの単語集まで覚える気持ちで臨んで下さい。

リスニング問題はどうでしょう。既に発表にあるように、配点はリーディングがこれまでの200点から100点となり、リスニングも100点となります。リスニングの比重が共通テストから高くなります。リスニング力がある方には有利になりそうですがリスニングテスト自体も難しくなります。まず6割程度はこれまでと同じ2回読みとなりますが2~4割は放送が一回のみとなります。後半の1回のみの問題は2級、準1級レベルのリスニングと予想できます。選択肢の長さが増え、付随する図表やテキストがこれまで同様伴うタイプのリスニング問題であればリスニング力にプラス速読や聴きながら情報を選別・検索するマルチ・タスクの力が必要となります。これまでの大学受験のリスニングで最も難しいリスニングとなると予想されます。

民間の検定試験は延期となりましたが、実際には民間検定試験を共通テストの英語のスコアとしての採用が延期になっただけで、英検2級、準1級レベルの英語力は既に多くの大学で求められています。来年からの共通テストの英語試験も2技能ながら同レベルの英語になることは変わりは無いと思います。英検合格にこだわらずともB1,B2レベルと呼ばれる中級以上の英語力を受験生は身につけなくてはなりません。受験生は長期的な計画で是非自分の英語力を高める気持ちで新しい試験の為の受験対策を始めて下さい。