先日知り合いのお店を覗いていると古いタイプライターが目に入りました。それはオリベッティのもので高校生の頃タイプを習いたくて最初に欲しいなと思ったスペインのブランドでした。

結局のところ国産のブラザーのタイプライターを買ったのですが、久し振りに懐かしさのあまりまたタイプライターが使いたくなり中古のタイプライターを買おうとしたら店員さんがブラザーもありますよと言われるので見て見たら、そちらの方が状態も良く結局懐かしのタイプライターはブラザーとの再会となりました。色は自分が持っていたものとは異なるのですが久し振りにタイプライターのキーを打つ音に何か懐かしさと40年ほど忘れていた言葉と機械が作りだすリズムに何か気持ちが高揚しました。

高校の頃は英文を打ち、海外のペンパルと文通したり、メールオーダーを楽しむという手段で使っていたのですから勿論今のメールと同じような使用目的でしたが、返信が届く時間は当然手紙ですから、今の何百倍もかかります。でもそのスローなコミュニケーションスタイルの中にも今のPCのタイピング同様にリズミカルに自分の気持ちを早く伝えようとする一種の思考の即興性とタイピングの早さを求められることが楽しかった気がします。

ブラインドタッチ(正確には英語ではタッチタイピング)でキーボードを見ないで英文をだけを見てタイプする練習をしたことも思い出されます。このブラインドタッチの練習で英文を速読したり、綴りを覚えたのかもしれません。あの頃はヘミングウェイに憧れ、図々しくも作家になることさえひそかに夢見ていました。でも彼の本をいくつかはタイプしたのでいまでも思い出すラインがあります。

近年若者の間でもカセットテープやレコードが流行り、もしかするとタイプライターもレトロテクノロジーとして再燃するかもしれないですね。ちょっと他にもタイプライターが気になりだしました。

P.S.2017年にドキュメンタリーで俳優のトム・ハンクスやミュージシャンのジョン・メイヤ―達が熱くタイプライターについて語る映画があったようです。
https://www.imdb.com/title/tt5966990/videoplayer/vi1237367065